富山県の南西部にある南砺市は、伝統と文化が息づく町。ミシュランガイドでも3つ星の評価を受けた世界遺産の五箇山合掌造り集落や、ユネスコ無形遺産に登録された城端神明宮の曳山祭などが、訪れる方々を魅了します。また、和紙や彫刻、絹織物などの伝統の技が受け継がれる町でもあります。
平成16年に8つの町村が合併してできたこともあり、南砺市の面積は琵琶湖と同じぐらい広いのですが、面積の約8割が森林。とても自然豊かな地域です。
そんな南砺市と、岐阜県白川村にまたがる境川に建設された、境川ダムをご紹介します。
境川ダムは、洪水調節、特定かんがい、水道用水、工業用水、消流雪用水、発電と、様々な用途を目的とした多目的ダムとして、昭和51年から平成5年までの18年をかけて建設されました。このときに使われたのはRCDという工法で、この工法で100mを超えるダムを建設するというのは初めての試みだったそうです。
所在地
右岸:岐阜県大野郡白川村加須良
左岸:富山県南砺市桂
河川名:境川
型式:重力式コンクリートダム
目的:洪水調節、特定かんがい、水道用水、工業用水、消流雪用水、発電
堤高:115.0m
総貯水量:59,900,000㎥
管理者:富山県
完成年:1993年
オススメの撮影スポット
100mを越えるダムの堤高とその背景の山々がつくりだす景色は「圧巻」の一言。夏の緑、秋の紅葉、冬~春の白と、季節によって様々な彩りを加えてくれます。まるでダムを照らすスポットライトのようですね。このあたりからの撮影がオススメです。
冬季(11月下旬~5月上旬)はこの道路は通行できなくなってしまうので一般の方は入れないのですが、冬の景色もこんなにすごいんです!
ダムカードは桂湖ビジターセンターでもらえますが、先述の通り、冬季は通行止めになってしまうためダムカードの配布は行っていません。ご注意ください。
ダム湖の景色にも注目してください
ダムの建設によって生まれた湖の名前は「桂湖」。カヌーなど湖でのアクティビティを楽しめるほか、近くにキャンプ場もあるので、満天の星空を満喫したり登山の拠点にしたりと、魅力がたっぷりのスポットです。
写真左に見えるアーチ状の橋は「開津橋」。ダム建設で水没する村道の付替道路の一部として、ダム直上流開津谷に架けられた全長222mの橋です。境川ダムにお立ち寄りの際は、ぜひダム湖周辺にも足を運んでみてください。