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千葉

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道の駅しょうなんは周辺農家の活動を支える 柏市の都市農業センター

道の駅しょうなんは、柏市の都市農業センターとして開業した道の駅。柏市の委託を受けた指定管理者である株式会社道の駅しょうなんが運営を担う。
道の駅内の農産物直売所とレストランを営業している事業者と協働で道の駅を運営している。
設立当時は、旧沼南町の生産者が中心となり、農業の活性化を想い直売所を立ち上げた。その想いを受け継ぎ、周辺農家の活動を支えることを第一に道の駅を運営されている。
図1
農産物直売所(左)/レストラン「ヴィアッヂオ」(右)

農家さんを一番に考えて・・

テナントのひとつである農産物直売所は、沼南地域の農家さんの野菜を中心に販売。野菜の他、農家さんが開発した加工品や、柏市で製造されている商品などを中心に取り扱う。
もうひとつのテナント、レストラン・ヴィアッヂオでは、本格中華料理を味わえるレストラン。農家さんの野菜を使うよう、レストラン・ヴィアッヂオと株式会社道の駅しょうなんでメニューを調整。夏のメニューでは、冷やし中華にしょうなんのヤングコーンを使った特製冷やし中華を考案し、特別メニューとして販売した。
また、若手農家が沼南地域の野菜のおいしさを伝えようとフードコーディネーターと開発したソフトクリームを道の駅で販売。レストランに作り方をオペレーションすることで販売を実現している。いちごやブルーベリーなど定番メニューの他、かぶ、ねぎ、トマト、パクチーなどインパクトがある野菜のメニューもおいしいと大好評を博している。

図2
大人気、野菜を使ったソフトクリーム
他にも、沼南地域の野菜を楽しんでいただくイベントを株式会社道の駅しょうなんにて企画。例えば、ねぎを堪能できるフルベジツーリズムでは、収穫体験、ねぎの丸焼き、ねぎソフトクリーム、お土産にねぎクッキーと、沼南のねぎを味わい尽くすセットプランを準備。ねぎの丸焼きで「ねぎってこんなに甘いんだ」と感想をいただくなど、参加者に野菜の新たな発見をもたらしている。
このように、株式会社道の駅しょうなんでは、農家の方々を一番に考え、商品の販売、沼南地域の野菜の魅力の発信を行っている。
図3
フルベジツーリズムの模様

来訪いただく方々に楽しい時間を提供したい

道の駅しょうなんには、年間約110万人もの方が来訪する。株式会社道の駅しょうなんでは、来訪いただいた方に楽しんでいただく企画も実施している。
道の駅しょうなんの創業祭や、秋の実りを祝う収穫祭のほか、ミュージシャンに出演いただく道の駅ライブ、交流都市である福島県只見町や青森県つがる市の特産品販売などを企画、実施。
周辺農家だけではなく、道の駅という場所を活用して情報発信や自己表現したいアーティストや、他の都市と連携するなど、多様な主体とイベントを展開している。
図4
来訪者をもてなすイベント
また、その範囲は道の駅の中に留まらない。前述した、ツーリズムの他、手賀沼など道の駅周辺を周遊できるレンタサイクルを準備したり、手賀沼の上から景色を楽しめる納涼船や遊覧船を運航。 道の駅しょうなんの魅力のひとつである、手賀沼を違う目線で楽しむことができる。
遊覧船は、手賀沼ほとりの他の施設手賀沼フィッシングセンターへアクセスする手段にもなっており、運行日には手賀沼からの景色を楽しみながら両施設を行き来することができる。
また、前述したねぎを堪能できるフルベジツーリズムでは、道の駅しょうなんから遊覧船で手賀沼フィッシングセンターへ移動し、BBQ場にてねぎの丸焼きを楽しむことができた。
道の駅しょうなん、手賀沼、手賀沼フィッシングセンターの魅力を一挙に楽しめる企画となっていたのだ。
図5
手賀沼を堪能できる納涼船とレンタサイクル
株式会社道の駅しょうなんでは、道の駅や道の駅周辺の資源を活用しながら、多様な主体と連携し、来訪いただく方々に楽しい時間を提供すべく、さまざまな企画を行っている。

より多様な支援を目指して

道の駅しょうなんがオープンし、16年が経過した。道の駅への注目度が向上する、来訪いただく方が多様化するなど、とりまく環境の変化もみられる。
周辺農家の活動を支えるコンセプトは揺るがないものの、より多様な支援を図るためには、設立当初に設けた道の駅しょうなんにおける運営方針に関する取り決めがネックになっている部分もあることから、 株式会社道の駅しょうなんでは、運営方針の見直しなどにも取り組むよう検討しているようだ。
周辺農家への多様な支援、来訪者への楽しい時間の提供を目指して、株式会社道の駅しょうなんの多様かつ多面的な活動は続く。
図6

今回、取材に対応いただいた
「株式会社道の駅しょうなん」プランナーの
竹下さん、ご協力ありがとうございました。