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長崎

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佐世保市の宝箱を目指す道の駅

「道の駅させぼっくす99」は長崎県に11ある道の駅の中で最も新しく、佐世保市で初めての道の駅として平成28年4月にオープンした。佐世保市北部の西九州自動車道相浦中里インターチェンジの横、県道11号線沿いに立地している。
ちょっと風変わりな駅名「させぼっくす99」、「ぼっくす」は宝箱をイメージ。名前の最後に付く「99」は、長崎県北西部に位置する西海国立公園九十九島という群島からとった。九十九島も、実際は99ではなく208の島があるとされている。つまり「九十九」は数がたくさんあるという意味で使われている一例だ。「させぼっくす99」は佐世保の素敵なものがたくさんつまった宝箱(ボックス)のような場所という意味が込められている。
「させぼっくす99」には、銘品館、フード館、イベント館等の施設があり、「させぼっくす協同組合」が佐世保市の委託を受けて運営・管理している。
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イベント館(左)/情報提供コーナー(右)

百貨店品質を目指した商品ラインナップ

道の駅と聞いて、産地直送の野菜・肉・魚など生鮮食品をイメージする方が多いのではないか。「させぼっくす99」は野菜などは取り扱わず、地元特産品やグルメの加工品を中心に、県内の他地域の販売商品の中から厳選された商品1,700アイテム揃えている。
その商品の選定基準は百貨店でも取扱いできるかどうか。佐世保の宝箱となるよう、駅長が厳しい目を光らせ、商品を厳選している。
その結果、観光客だけでなく、地元住民も贈答用のお土産購入に「させぼっくす99」を利用しているようだ。
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佐世保の名店「天津包子舘」の商品(左)/
「長崎県新作展」「全国蒲鉾品評会」でW受賞した平戸市の商品(右)

基地のある街 佐世保

佐世保といえばその歴史的背景から、横須賀や呉、舞鶴と並んで軍港のイメージが強い。現在でも市内には海上自衛隊の基地や陸上自衛隊の駐屯地、米海軍基地がある街として知られている。
「させぼっくす99」ではミリタリー関連の商品も多く取り扱われている。銘品館を覗いてみると、自衛隊や日本海軍にちなんだグッズ、GC1グランプリに選ばれた海上自衛隊カレーなどが販売されている。フード館のミリタリー食堂では、味にこだわった「海上自衛隊カレー」や「水陸起動団飯ごうカレー」を提供。プレートも実際に使われているものと同様のものを使用している。基地の味だけでなく、雰囲気も堪能できる点が特徴だ。

※GC(護衛艦カレー)1グランプリとは、海上自衛隊佐世保地区の護衛艦などの部隊が、自慢のカレーを競う最強カレーの決定戦のこと。グランプリを獲得したカレーは、レシピを忠実に再現したレトルトカレーとして商品化・販売されている。 3
GC1グランプリに選ばれた海上自衛隊カレー(左)/自衛隊や日本海軍にちなんだ商品(右)

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GC1フード館のひとつミリタリー食堂(左)/地元に愛されるフード館のメニュー(右)

愛される道の駅へ

「させぼっくす99」のフード館には、前述のミリタリー食堂の他、和食・洋食・中華の3店舗が出店。それぞれ地元の名店が出店しており、定番の「佐世保バーガー」など観光客が佐世保の雰囲気を味覚から堪能できるメニューだけでなく、地元の方にも愛される佐世保の「おいしい」を愉しむことができる。
フード館は、4店で午前7時から午後8時まで営業、近くに飲食店が少ないこともあり、地域住民のニーズに応えた営業形態となっている。早朝からあたりが暗くなっても様々な利用者が訪れているなど、利用者には地元の常連客も多いそうだ。
地元のニーズにしっかり応えて固定ファンを獲得し、地域で愛される道の駅を実現。今後も、佐世保の宝箱として、ここにしかない「おいしい」「たのしい」「うれしい」を多くの利用者に提供を目指していく。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA 今回、取材に対応いただいた「させぼっくす協同組合」の渋谷さん、
ご協力ありがとうございました。