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東京

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日本国内のフルーツの産地といえば、青森のりんご、山形のさくらんぼ、岡山の桃、和歌山のみかん、、、と挙げていくと、「いやいや、みかんは愛媛でしょ!」「山梨の桃がピカいち!」「静岡のいちごを忘れてもらっては困る!」などなど、それだけで何時間も会話が盛り上がりそうですよね。さて、その会話に「東京の梨」が参戦したら、みなさんどう思いますか?東京産の梨?東京って果物作ってるの?なぜ東京?と思われるでしょうか。今日は、東京・八王子市唯一の梨専門農家、橋本園のご紹介です。

東京の梨づくりの歴史は古く、文献にもよりますが1650年代には栽培が始まっていたとされています。今の神奈川県・川崎市あたりから始まり、多摩川を上流に上るようにあきる野市付近まで梨栽培が広まりました。昭和初期にはこの一帯で採れる梨は「多摩川梨」と呼ばれるようになり、今でも多摩地区を中心に梨の栽培が盛んに行われています。

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八王子にある梨専門農家の「橋本園」では、栽培している梨の種類はなんと9種類!定番の「幸水」のみならず、「豊水」や「新星」など、並べてみると色も大きさも違う種類の梨がたくさん。消費者が多い東京だからこその利点で、梨はギリギリまで熟してから収穫されるとのこと。青いまま収穫されて遠路はるばる運ばれてくる梨とは、新鮮さが違います!時期を逃すと熟しすぎてしまうため、このあたりのタイミングが難しいようですが、そこはベテランの目がしっかりと見極めます。9月中旬からは、希少価値の高い「かおり」が出荷され始めますので、ぜひ他の品種と大きさ&甘みを比べてみてください。

梨農園の1年は年中とても忙しいのです。収穫が終わる秋には、土に栄養を与えるための堆肥撒き。土の成分をチェックし、梨専用の肥料で栄養を与えます。冬の間はひたすら剪定作業、来る日も来る日も余分な枝を切り、木を整えます。春になって、花が咲く前に余分なつぼみを落としたら、今度は「授粉」のための花粉の準備。4月に花が咲いたら、家族総出で花粉付けです。しばらくして実がなってきたら、摘果をして育てる実を選びます。初夏に袋かけが完了すると、収穫までのわずかな時間でやっと一息入れられます。これらの作業、少しでも手を抜くと抜いた分だけ梨の出来栄えが悪くなるそうです。注いだ愛情の分だけ美味しい梨ができる、だから手は抜けない。

そんな「橋本園」の梨は、東京唯一の道の駅・八王子滝山でお買い求めいただくことができます。わざわざ地方に行く前に、まずは地元の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。