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北海道

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デカい。もはや「蟹の爪」というレベルではない迫力のこのオブジェ。なんと縦12メートル、幅6メートルもあるのだそう。この特大建造物は、道の駅オホーツク紋別の裏にある。  北海道紋別市に位置するこの駅は、その名の通りオホーツク海を臨む。流氷の観察など、北の海ならではの楽しみが用意されているのが特徴だ。まずはこれぞオホーツク海というべき光景から。日本最北端の北海道、それよりさらに北から、大きな氷の一団が押し寄せる光景は、テレビなどで一度二度となく見たことのある人も多いだろう。流氷というやつである。紋別では、冬に「流氷砕氷船ガリンコ号」に乗り、氷の浮かぶ海を観光することができる。流氷はテレビで観ていると、色に関して白のイメージしかないのだが、実際には純白の氷塊ばかりというわけではなく、茶色をしたものもある。とはいってもこの色は、記者の地元のような、数センチの積雪で子どもがはしゃぐ地域の、遊んでいるうちに砂が混じった雪の茶色ではない。その正体は「アイスアルジー」とよばれる、藻類の塊。流氷とともに運ばれ、紋別の海に栄養をもたらす。流氷は、遠くから見ればやはり白。その中に隠れる茶色を目にできるのも、至近距離からの観察者の特権だ。オジロワシなど、普段見かけないような動物との出会いにも期待したい。極寒の地の冬は刺すような寒さだが、我慢して乗り込む価値はある。夏にはカレイ釣りも可能だ。

http://www.hokkaido-michinoeki.jp/data/22/each.htm

東京タワーやスカイツリー、ランドマークタワー、あべのハルカス、通天閣……日本を代表する高層建築や「タワーっぽい」建物と比べると、オホーツクタワーはあまり「タワーっぽくない」。海上38.5メートルの高さはあるが、縦長に伸びる感じではなく、海から生えているような外観がそう感じさせるのかもしれない。実際、売りの一つは「タワー」ならではの高い位置からの眺望とは逆ともいえる、海中の階にある。窓の外は海中。オホーツクに暮らす生き物を観察できる。

http://www.o-tower.jp/info

流氷科学センターが近くにあり、真夏でもマイナス20度が体験できるイベントがあるなど充実。クリオネの観察もできる。また道の駅でも、さすが北海道、いくら丼などのメニューを取り揃えている。寒いところに寒いとき行くからこそできることがあり、また避暑地としても楽しめる。