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静岡

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静岡県の中心にある静岡市。徳川家康公ゆかりの地として栄え、グルメに観光に話題を欠くことはないのですが、実は「静岡市」はものすごい範囲が広くて、市街地の面積は市全体のわずか20%程度。ここに人口の95%の人々が生活しています。残る80%のエリアは豊かな自然が残る山間の地域で、今この地域が「オクシズ(奥静岡の意)」として注目を集めているのです。オクシズは「奥大井」「奥藁科」「安倍奥」「奥清水」の4つの地域に分類されます。本日はこの中の「奥大井」に含まれる「井川」という地区にある「井川ダム」、別名「井川五郎ダム」と呼ばれるダムをご紹介します。

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1957年に完成した井川ダムは、日本で最初の【中空重力式コンクリ-トダム】。当時イタリアでは中空重力式ダムが盛んに建設されており、中部電力は社員をイタリアに派遣し、図面などを入手して建設の参考にしたといいます。2017年現在、日本で現存する中空重力式コンクリ-トダムは、13基です。
※中空重力式ダムとは、ダム内部の約3割が空洞となる方式。建設当時に高価であったセメントを節約できた。

所在地:静岡県静岡市葵区大字井川字大久保2290-2
河川名:大井川水系大井川
種類:中空重力式コンクリート
目的:発電
堤高:103.6 m
総貯水量:150,000,000㎥(建設時)
管理者:中部電力
完成年:1957年

見て、ふれて、楽しんで学ぶ【井川展示館】

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暮らしや産業を支えている「水力発電」のしくみやダムの役割、大自然と電気の関係を楽しく学ぶことができる施設です。

1階では、井川周辺の自然や大井川開発の歴史などをパネルや映像で紹介していたり、日本初の中空重力式ダムである井川ダムを有する井川水力発電所の建設記録などもご覧いただけます。2階は、180度の展望サロンになっていて、ダムを眺めながらくつろぐこともできちゃいます!

ダムカードもこちらでお配りしています。

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展示館の詳細

一緒に立ち寄りたいスポット

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井川湖をまたぐ井川大橋は全長258mの吊り橋。幅員2mで、普通車通行可能な吊り橋です。車窓から、井川湖と南アルプス上河内岳を望むことができます。湖面まで60mはあろうという高さはスリル満点です。

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大井川鐵道井川駅から少し歩いて井川ダムの中部電力井川展示館を過ぎると廃線となった線路が見えてきます。井川ダム建設当時の資材搬入駅(旧堂平駅)へと続く部分を整備した遊歩道で、短いトンネルもあり、ちょっとした冒険気分でハイキングが楽しめます。廃線から見る井川湖の景色は最高。

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井川ダムと井川の中心地「本村」を結ぶ片道の渡船です。井川ダムから本村までの15分の航路と井川大橋を経由する45分の航路があります。バスや鉄道で来た観光客も自由に乗船でき、四季折々に見せる新緑、紅葉の井川湖を眺めながらの湖上遊覧をお楽しみいただけます。

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気さくなおばちゃんたちのお食事処「井川農林産物加工センター・アルプスの里」。手打ちそば、季節の山菜てんぷら、柏餅等々。やまめごはんがお勧め。冬に仕込んだ味噌も売っています。ここで食べられる「井川ダムカレー」は、井川産の野菜を使用し、とうもろこしはダムの中の空洞部、ミニトマトはダム下流にある発電所、いんげんは副ダムをイメージしているそうです。

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静岡市って、市街地の北にはこんなエリアがあったんですね。ダムをきっかけに、「奥が深いオクシズ」をぜひご堪能ください!