みなさん、こんにちは！キャスターマミです！
三重県大台町、「道の駅奥伊勢おおだい」は町の中心部にあります。
この地域の名は大台町三瀬谷（みせだに）地区。
むかし、倭姫命（やまとひめのみこと）が天照大神（あまてらすおおみかみ）のご鎮座地を探して、宮川上流へ遡ってこられ、現在の三瀬の渡し跡に御輿を止めらました。
その後、神社が建立されたそうです。
年月が経過し、江戸時代初期に現「三瀬谷神社」の地に分祀され建立されたのが「三瀬谷神社」のはじまりと伝えられています。
そして明治時代には政府の合祀の推進により周辺の神社が合祀されました。
そんな三瀬谷神社に、2016年4月に若い新しい宮司が任命されたと聞き、会いに行ってきました。
民家や商店を通り抜け、静かに佇む三瀬谷神社へ
「道の駅奥伊勢おおだい」からは徒歩10分ほど。
民家や商店が立ち並ぶ大台町の中心街を通り抜けると、緑が見えてきて静かな空気が流れます。
神社を入ってすぐの手水舎のすぐ横に、巨大な杉が植わっています。
「大人4人で手を広げて繋いでも足りないくらいの太さなんですよ。」
よく見ると、周辺にはこの木と同じくらいの太さの巨木が何本も。長い歴史の流れを感じさせます。
案内してくださっている彼が、上田真也さん。
滋賀県に生まれ、神職を目指して皇學館大学神道学科へ進学。
在学中、友人を介して林宮司と知り合い、林宮司が兼務していた三瀬谷神社の宮司候補としてスカウトされたことがキッカケで、大台町に移り住むことになりました。
住居も仕事も面倒みてくれたという林宮司と総代さんからのたった一つの条件は、「大台町に骨を埋める覚悟を決めること」。
「人生の大きな決断のように聞こえるかもしれませんが、神様に導かれてこの場所に来ることができたと思っているんです。」と語る上田さん。
皇學館大学卒業後、林宮司のもと4年間の奉仕を勤め、上田さんは2016年4月に三瀬谷神社の宮司に任命されました。
ここから、上田宮司へのインタビューです。
宮司になってみて
三重県津市で行われた2016年度の新宮司任命式で任命書を頂いた時、今までは林宮司に手を引いて頂いていたけれど、これからは自分で考えて神社を維持発展させていくんだと感じました。
林宮司程しっかりと宮司をやれる自信はなかったですし、今でも勉強中だと思っています。
宮司として初年度の新嘗祭での新しい試み
地域の方に喜んでもらいたい、地元に住んでいても「三瀬谷神社ってどこ？」と聞かれることもあったので、地区の氏神様に親しみを持っていただきたい、また地区外の皆さんにも三瀬谷神社に足を運んでもらう機会を作りたいと思い、新嘗祭でコンサートをやりたいと思ったんです。滋賀に住む妹がピアノ演奏者なので、ヴァイオリン奏者の友人も連れてきてもらって。
コンサートを提案したときの周囲の反応
総代さんが「いいんじゃない、やってみよう」と快く賛同してくれて実現しました。当日は150人以上の方が集まりました。ピアノとヴァイオリンの共演は素晴らしく、もっと演奏を聴きたかったという声も多くいただきまして、多くの方に楽しんでいただけたようです。
今年の新嘗祭の見どころ
大台町の隣町、三重県大紀町のカフェ「めがね書房」さんによく行くんですが、そこでライブをやっていたギタリストのOgurock（オグロック）さんと尺八奏者の竹内洋司の演奏がすごく素敵だったんです。話を聞いてみると、式典や祭典、奉納での演奏も経験豊富だそうで、依頼しました。
大台町では珍しい演奏会になりますので、地元のみなさんにも必ず喜んでいただけると思います。近隣市町のみなさんにも是非お越しいただきたいと思っています。
新嘗祭に合わせて地元佐原区の「明日の佐原を考える会」主催で秋祭りも開催され、野菜市や縁日が出店されます。
当日はたくさんの皆様のお越しをお待ちしております。
上田宮司、ありがとうございました！
新嘗祭でのギター＆尺八ライブの様子
そして迎えた2017年11月19日、三瀬谷神社新嘗祭当日。
地元の絵手紙サークルのみなさんが描いたという灯篭が飾ってあるのも素敵です。前日の夜にはライトアップされたそうです。
式典のあと、「鎮守の杜の演奏会」と題したギタリスト「Ogurock」さんと尺八奏者「竹内洋司」さんのライブが始まりました。
祭日和ともいえる爽やかな秋晴れ、冷たい空気のなか伝わってくる音は、ダイレクトに心に響きます。
離れていても、ヘッドホンを付けているように感じるほどクリアに届く音。
ギターと尺八。和洋折衷が心地良い。
そこに集い軽く体でリズムを刻むのは、地元のおじいちゃん、おばあちゃんが中心です。
観客を魅了したライブは、約1時間に亘りました。
ライブが終わったあと、大台町の「一富士」というラーメン屋さんが大好きというギタリストOgurockさんと、大台町は広大な自然と暖かい人柄が魅力と語る尺八奏者、竹内洋司さんにお話をお伺いしました。
Q．今回三瀬谷神社での初ライブを開催するにあたっての経緯や意気込みなどは？
Ogurockさん：「2年前、大紀町のカフェでライブをしていた時、観に来てくれていた上田宮司にお声がけいただきました。2年後のスケジュールを押さえてくるあたりに並々ならぬ情熱を感じました。」
竹内さん：「神事に携われること大変嬉しく思うと同時に、神様と地域の方々の両方があって成り立つものなので楽しんでいただける様な演奏をしたいと思いました。」
Q．上田宮司の印象は？
Ogurockさん：「大人しそうなのにグイグイくるな・・・と思いました（笑）」
竹内さん：「柔和な物腰でありながらも守る筋は通す、人当たりの良い人という印象です。」
Q．ライブ後の感想をお聞かせください。
Ogurockさん：「気温は寒かったですがお客さんは温かかったです。」
竹内さん：「冷たい風のある寒い日でしたが、嫌な寒さではなく凛とした神社特有の空間に守られ、どこか健やかな気持ちになりました。」
あとがき
三瀬谷神社だけではなく、地域一帯が元気になり発展していくお手伝いができればという思いで、移住者でありながら若い力とアイデアで地域住民を巻き込み頑張る姿。
上田宮司ご自身は神様にこの地に選んでもらったと語っていたのですが、話を聞けば聞くほど上田さんの人柄と頑張りに魅せられ、応援者たちを引き寄せているのでは？
今後もこの地の歴史を、新しい風も起こしながら繋いでいってくれることでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます♪
三瀬谷神社
【所在地】三重県多気郡大台町佐原439【ホームページ】 http://www.ma.mctv.ne.jp/~shinya18/index.html