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新潟

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 近年、海外でも注目を集める「日本酒」。海外の和食レストランでは今やワインに代わり、日本酒が飲まれているんだとか。日本食にはすっきりとした口当たりのものが好まれますが、酒どころ長岡市はまさにその中心。
酒屋さんや居酒屋さんでよく見るお酒。普段、日本酒を飲まない人でも、「久保田」や「吉乃川」は見たことがあるのでは?それ、長岡の酒蔵です!
そんな酒どころ長岡市の中でも、今回は和島にある池浦酒造さんを特集!お酒の造り方もご紹介!

 池浦酒造は江戸末期(1830年)から続く酒蔵。自社にひいた井戸水を用い、地元の米を使ったその酒は、長きに亘り地元の人々に愛されてきた。その長い歴史の中で、培われてきた技術が代表的な酒、「和楽互尊」に集約されている。銘酒「和楽互尊」を吟醸酒だけでなく、特別純米酒など様々なタイプで販売。それ以外にも生酒、焼酎も造っている。誰もが好みの味を見つけられる、豊富なラインナップだ。
 そんな池浦酒造のお酒。どのように造られているのか見てみよう! まずは精米。米は新潟の酒造好適米にこだわり、地元和島の米で醸すこともある。それぞれの酒に合った分だけ磨く。

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【写真提供:池浦酒造】

【洗米】次は洗米。米を洗うのと、必要な水分を吸わせるために漬ける。吸水時間も、米の品種などによって見極めが必要となる。

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【写真提供:池浦酒造】

【蒸米】米を蒸す「蒸米」という工程。蒸して柔らかくなることによって、酵素の作用を受けやすくなる。ここではむらなくしっかりと蒸すことが重要。ベストな状態を見て、「製麹」麹づくりの工程に持っていくことが必要とされる。

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【写真提供:池浦酒造】

【製麹】「製麹」(せいぎく)は蒸された米に麹菌を振りかけ、二昼夜育てること。ここでは湿度と温度を保つことが最も重要となる。この後、麹と蒸した米、水に酵母を加えて酒のもとと呼ばれる「酒母」を作る。そしてここで増やした酒母を使って仕上げの作業に入る。

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【写真提供:池浦酒造】

【もろみ仕込み】酒母に蒸米、麹、水を加える。この後いくつかの仕込みの段階を経て、1か月ほどかけて発酵させる。ここで増えた酵母がアルコールや香りを作り出す。 その後は、もろみを絞って酒と酒粕に分け、ろ過していく。火入れをして殺菌。更にそれを貯蔵することによって、全体的にバランスの整った酒へと仕上げる。その後、瓶詰され皆さんの元へ。酒は気の抜けない工程の連続により、出来ていることが分かります。

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 さて、「和楽互尊」というお酒の名前。これは長岡の哲学者、野本互尊翁に感銘を受け名づけられたもの。「互いに尊び合えば和やかで楽し」から「和楽互尊」とな った。「酒造りを通して広く世の中を平和に導こう」こうした思いもこの言葉には込められている。
同じく平和を願う行事が、長岡にはある。夏の恒例行事「長岡まつり大花火大会」だ。昭和20年8月1日にB29の爆撃を受けた長岡市。1,486名の尊い命を奪ったこの惨劇から、平和の祈りを込めて開催されるようになった。有名歌手の楽曲に合わせて打ち上げられる花火と、正三尺玉と呼ばれる花火が名物だ。とても華やかな花火だが、打ち上げられる花火には全て、平和への祈りが込められている。二日間に渡って行われる同花火大会は、今年は百万人を動員する規模にまで拡大。日本を代表する花火大会と言っても過言ではない。

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正三尺玉 http://nagaoka-pic.net/index.html
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http://nagaokamatsuri.com/

 平和を願う池浦酒造の想い。酒造りに対しては「基本的には「味のあるやや辛口」タイプのお酒を醸しています。一杯目より二杯目、二杯目より三杯目がおいしく感じられる飲み飽きしない、そんなお酒を目指しています。」と池浦社長。

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真ん中が社長で杜氏の池浦隆太郎さん。

酒造りに対し、常に高い志を持ち続ける池浦酒造。長年愛され続けている所以は、人気の上にあぐらをかかない社長の信念にあるのだろう。 今晩の晩酌に、是非「和楽互尊」を!和やかで楽しいひとときがあなたを待っています。
そして長岡の夜空に咲く、大輪の花に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

お酒好きのあなたに、続いてご紹介!美酒めぐりスタンプラリー

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http://www.hotelmets.jp/nagaoka/blog.htm

米どころに酒どころでもある、新潟県長岡市。
近年は日本酒ブームといえども、いまだ日本酒はお父さん世代のお酒、というイメージが強い。
しかし長岡ではあちこちの居酒屋で、若い人たちが長岡のお酒と食事を楽しむ人々を目にする。なんとこれ、スタンプラリーなんです。呑めば呑むほど、スタンプがたまり、その数に応じておちょこなどがもらえる仕組み。これは呑んべえにならざるを得ない!しかもちゃんと料理も付きますヨ。加盟店は34軒。各店おすすめのお酒とそれに合う料理を「晩酌セット」として提供しています。
長岡の美酒を存分に楽しめるこのイベント。どうしてお酒に力を入れるのでしょうか。これは長岡がお酒で有名だから、という理由だけにとどまりません。長岡市が「長岡市日本酒で乾杯を推進する条例」なるものを制定したから。つまり、「長岡のお酒で乾杯しよう!」ってことです。これなら遠慮せず呑んべえになれますね! 次のお休みは美味しいお酒と料理を堪能しに、長岡へ!
来年3月31日まで開催!