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東京

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広島県からイノシシや鹿肉のフランクフルト、岩手県から肉厚のホタテの浜焼きなど、全国の道の駅が自慢の品をもって集い、震災復興を支援する「がんばれ熊本フェア」が、7月25日(月)から7月31日(日)まで「道の駅八王子滝山」で開催された。本フェアの売り上げの一部は熊本の被災地へ寄付される。

開催地となった「道の駅八王子滝山」は、八王子ICから車で約5分の場所に位置する。八王子駅からバスも出ており、電車を使ってのアクセスも比較的容易だ。地元産の野菜を販売し、「地産地消」を実現することを大きな目的として設立された。

今回開催地である東京、道の駅八王子滝山に集まったのは、道の駅宇土マリーナおこしき館(熊本県)、道の駅やまだ(岩手県)、道の駅世羅(広島県)の道の駅と、商品参加という形で新潟県燕三条、そして築地からは寿司。「東京の道の駅」という未知なる場所に、それぞれが自慢の品を持ち込んだ。

ぎゅっと詰まった宇土の魅力!

宇土マリーナからは、地元の名産であるネーブルオレンジを使用したお菓子や、海苔の販売。 ネーブルオレンジとはその名の通りオレンジの一種である。その果汁を使用したオレンジ色のパスタ麺やそうめん、パイなどのお菓子も人気を博した。 特に人気だったのは海苔。その年の一番最初に収穫された海苔を「秋芽のり」と呼ぶ。瓶詰された海苔の加工商品は試食を口にしてから、レジへと持っていく主婦の姿が多く見られた。

大ぶり!ホタテの浜焼き!

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道の駅やまだが岩手県から持ち込んだのは、ホタテの浜焼き。三陸のミネラル豊富な海で育ったホタテは、東京ではなかなかお目にかかれないビッグサイズ。これを特性のたれとスパイスでいただく。大粒だが、身がぎっしりと詰まっていて、歯ごたえもとてもいい。ポロッと崩れたりは決してしない、弾力たっぷりの一品で「おいしい」のはいうまでもない。噛み切るのが大変?心配ご無用。一口サイズに切り分けてもらうこともできるので、その弾力におびえることなく注文できる。

豚肉じゃない。スパイシーなフランクフルト

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道の駅世羅からはフランクフルト。といっても使われているのは豚肉ではない。イノシシと鹿の2種類だ。タスキをかけたカープ坊やが特徴的な、世羅の観光協会限定のTシャツも同時販売。それを着た鈴木基史(すずき・のりひと)さん(左)が手に持っているのがイノシシ肉、鹿肉のフランクフルトだ。どちらがどちらか、素人には見分けがつかないが、鈴木さんと西原淳さん(右)は間違えない。両方頼んだとしても袋に書いてくれるので、食べるときには素人だって間違えない。世羅町ではイノシシ、鹿ともによく見かける動物で、農作物へ及ぼす害は小さくない。「ただ駆除するのではなく、うまく利用できないか」そういう思いから冷凍の肉販売が始まった。それを一歩進めたのがこのフランクフルト。道の駅世羅ではイノシシ肉のものを日常的に、鹿肉をイベント時に販売しているが、今回は両方を持ち込んだ。
「生臭い」という印象を持たれがちなイノシシ肉、鹿肉だが、「処理をしっかりしているので大丈夫」と西原さんは太鼓判を押す。脂たっぷりのジューシーなイノシシ肉、赤身が多くあっさりした鹿肉と、対照的な特徴を持つ2つ。「おすすめはどちらですか」という質問に2人は「両方です」と茶目っ気たっぷりに笑顔を見せた。食べ比べてみると、なるほど、見た目は似ているが食感が全く違う。「東京ではより多く売れている」鹿は、確かに脂が少ない。しかし個人的には、「世羅でよく売れている」イノシシ肉の方を推したい。脂が多く、肉のうまみをより強く感じた。「生臭くないための処理」は主に血抜きだが、2種類ともコショウなどのスパイスがよく効いている。特に生臭そうなイメージのあったイノシシも、実際に食べてみると気にならなかった。

主婦の味方をお安く提供

新潟からは地元企業の協力を得て、フライパンなどのキッチン用品を販売。 国内メーカー品のフライパンや鍋などを特別価格で提供し、多くの人々をブースに引き寄せていた。

職人こだわりのすし!

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今回、築地からの参戦としてすしを握り、海鮮丼を作るのは、都内のホテルなどでの勤務経験、40年以上の職人歴をもつ松本光男さん。ネタは自ら選ぶ。松本さんこだわりのお寿司がケースに並ぶ。目確かな技と味が光る逸品。プロの技をお得に楽しめるのもこのイベントの目玉だ。サーモンやイクラの乗ったどんぶりの色鮮やかさに思わず目を奪われてしまうが、松本さんのおすすめはサバの棒寿司と穴子だ。棒寿司には最も職人の技が現れるという。ネタとシャリがひっついている姿は当たり前の光景だが、これが実は難しく、高い技術を要するのだとか。穴子は梅雨明けのこの時期旬を迎える魚。特にこの2種類は価格に対してお得であると語る。
 サーモン丼にも共通するが、ネタが大きい。これにはネタよりもシャリが先に口の中から消え、ネタが残ることを狙う意図もある。実際、穴子の寿司を食べたとき、残ったのはご飯ではなく穴子だった。もちろん、ネタをただ大きくすればよいというわけではない。そこは40年以上磨いてきた腕の見せ所。「バランスを考え、計算している」という言葉には、説得力がある。
「お客様に『おいしい』と言ってもらいたい」 その気持ちが原動力。「丁寧にやらないと、寿司に表れてしまう」と松本さん。今回の売り場は築地の回らない寿司屋でも、都内の高級ホテルでもないが、仕事に対する真剣さは変わらない。「1度食べてもらえれば良さは伝わる」の言葉通り、イベントが始まって5日目の29日時点で、既に3度も松本さんの寿司を買いに来たリピーターもいるという。

未知倶楽部スタッフより

「がんばれ熊本フェア」へのたくさんのご来場いただき、誠にありがとうございました。 終日本当に多くのみなさまにお立ちよりいただき、心より感謝いたします 未知倶楽部ではこれからも『楽しい!』『おいしい!』『魅力的!』イベントを企画してまいりますので、どうぞお楽しみに!